自宅のデータ保存環境を改善 ReadyNAS導入〜データ移行・運用編〜

こちらの記事で書いたセットアップも終わりました。
次は、実運用にむけたデータ移行です。
合わせて私がReadyNASを運用する上で設定したものも紹介しておきます。

気長にとは言え長い

さて実際にデータ移行を行うにあたっては最初MACからそれぞれNASのフォルダを開いて必要なファイルをコピーしていました。
コレだと「NAS->MAC->NAS」となってネットワークの経路が2重になったような形になるので以外と遅いんですよね。
iPhotoの30GB位あるLibraryを移動するのに6時間とか平気でかかってしまい、「これ終わるの途方に暮れるなぁ」と思っていました。

NAS to NAS ができるらしい

そこで色々キーワードを試してGoogle先生に聞いてみると、どうやらReadyNASは「NAS to NAS」のコピーができることが分かりました。
実際にはReadyNASにあるバックアップジョブの機能を使ってリモートからローカルへとファイルをバックアップするという機能を使う事になります。

設定は簡単で管理画面にある「バックアップ」のタブを選択して表示された画面にある「バックアップジョブの追加」を選択。
そうするとバックアップジョブの追加画面が表示されます。
後は、元となるデータがある方をリモートにして、バックアップ先をローカルとして必要な情報を登録。
毎回フルバックアップをするようにバックアップの種類を選択してスケジューリングはなしとします。
これは一度動かせばいい、かつリトライする際にも1から取り直すことを想定しているためです。

このジョブでデータを移動させれば「NAS->NAS」となり余計なネットワークトラフィックも発生することなく移動ができます。

ただし、これで移動した場合には以下の2点に注意が必要です。

注意点1:稼働できるジョブは1つずつ

取得先は1カ所しか指定できないため、複数ある場合は都度バックアップジョブを作成するのですが、バックアップジョブとして稼働できるのは1時点に1つだけのようです。
複数設定して同時に稼働させたのですが、最初の1つ以外は警告メッセージをだして稼働してくれませんでした。
多分ジョブが完了したら動いてくれるのだと思いますが、エラーも出たし1つなんだと理解したので、警告メッセージをだしたジョブは一旦停止させてしまったので、未検証です。

注意点2:ファイルが読み取り専用になる可能性がある

これは後から運用していてファイルを移動しようと思ったときに気づいたのですが、特定のファイルが移動できませんでした。
移動できなかったファイルをMacから見ても権限はあるように見えるのですが、できないのです。

こうなるとファイルを直接みるしかないということで、ReadyNASのSSHをONにして直接ログインして確認です。
ただし、ReadyNASはSSHをオンにした場合に発生したトラブルについては保証してくれなくなるので、注意が必要です。
使うときだけON、使わないときはOFFがよいと思います。

SSHでログインするのですが、この辺セキュリティーが緩いためログインユーザーは「root」となります。
このrootは特殊というかSSHでのみ使えるようです。
SSHでログインして該当のファイルを見てみるとファイルの所有者が「root」になってました。
エラーの出ないファイルは「admin」もしくは「guest」になってました。

これ何でだろうな?と思ったのですが、どうやらバックアップジョブで移動してきたファイルは権限が「root」になるようです。
ネットワークを使ってファイルを取得するので特権が必要なんでしょうかね。

これってUNIX/Linux関連を操作したことある人は気づくと思いますが、ただNASを使っている人は全く分からないトラブルだと思います。
結局NASでファイルの権限を変更して今回は解消させました。

実際に運用をしてみて

どうにかこうにかデータを移動することができたので、実際の運用をReadyNASの方に切り替えました。
以下は私の方で設定した内容ですので、参考にしてみてください。

誤操作の時の保険のためにスナップショット

念のためにReadyNASが持っているバックアップ機能であるスナップショットを使うことにしました。

スナップショットは簡易バックアップみたいなもので、ある時点の情報を取得して別の領域にその情報を確保しておき、誤ってファイルを消したなどの際に、スナップショットのデータから戻せるようにするものです。

運用として写真や音楽のバックアップ取得先は毎日、それ以外は月1回とる形で設定しました。

ただこのスナップショットも難点があって、サイズを制限することができません。
何を言っているかというとディスクが空いている分だけ永遠にスナップショットをとり続けます。

色々調べてみると残り容量が総容量の5%以下になるまでとり続けるそうです。
5%以下になると5%以上空き容量ができるようにデータを削除してくれるようです。
いざ大量にデータを増やしたい時に思ってたよりも容量が少ないとかなるのが困った事になりそうですが、、今のところ所は忘れておきます(笑)。

Mac(Yosemite)との通信はSMBよりもAFPで

ファイル共有の手段としてMACはAFPをずっと使ってきています。
現在はAFPではなくWindowsでも使われているSMBを優先して使うようになっているようです。
AFPが先のままだという記事もありますが。
Mavericks以降同士のファイル共有はSMBが優先:HAT blog

色んな記事をみてもSMBで問題ないよみたいな描き方だったので、SMBで使っていたのですが、どうもおかしい。
具体的にいうとファイルを大量にコピーした後、コピー先のファイルを開こうとするとエラーがでて開けない。
これはiPhotoのLibraryで顕著でした。
で色々調べてみるとどうやらSMB(正確にはSMB2)の仕様のように受け取りました。
Windowsですが、こんなものもSMB2 通信を利用してファイルが正しく参照できないことがある
Windowsとはいえこういうことがでているので安定してないなと判断してAFPでの接続としました。
そうしてからファイルのエラーも発生することなく今のところ安定して使えています。

最後に

結局実際にNASを切り替えるのに2週間くらい上記対応を含めてかかりました。
データ量からするとこんなものなのかなぁと思っていますが、ある程度気長に考えてやるしかないなぁと実感。
ただし今回の導入で、次はディスクを追加することで対応できるのでかなり楽になったと思います。

ふえていくデータに対応する為の対応として参考になれば。